

今の日本は、人手不足と言われています。要するに働く人が減っているのです。
そこで企業としては、できるだけいい人材を確保しようと、福利厚生を良くしたり、賃金を上げたり、働き方を変えたりと、あらゆる手段を使っています。
これは働く側にとっては非常に嬉しい話ですが、従業員に嬉しい施策を行っているのは実は一部のホワイト企業という、いい企業に限られるという事実。
現に評判が悪い企業、いわゆるブラック企業の場合は好景気とはいえ福利厚生なんて一切考慮をしません。
この点を考えると、せっかく会社で働くのならブラック企業と呼ばれる評判が悪い会社ではなく、ホワイト企業で働くのが無難です。
しかし、ホワイト企業とブラック企業では何が違うのか分からないと良い会社とダメな会社を識別できませんよね。
そこで今回はブラック企業とホワイト企業がどういう企業を指すのか、そしてホワイト企業にはどうやれば巡り合えるのかについてご紹介します。
目次
残業を奨励するか禁止するか
私はこれまで様々な企業に転職してきました。その中には、ブラック企業とホワイト企業両方が存在し、様々な転職を行いました。
私もそうですが、今の若い人はホワイト企業のような残業がほぼない会社を理想的な会社だと答えます。
ちなみに正社員の場合、就業時間は通常8時間ほどのはず。つまり朝8時30分出社だとすると昼の1時間休憩を挟み、17時30分が定時となります。
定時で帰れる良い会社
昔は残業が当たり前だという企業が多かったように思いますが、現在は働き方改革などにより、プレミアムフライデーと呼ばれるものが出来ました。
こちらは金曜日に早く仕事を終わらせて、アフター5を楽しむというホワイト企業独自の制度です。
しかもこの制度を導入しているようなホワイト企業では基本的に残業が禁止のケースが多いです。
その結果としてホワイト企業の社員は所定労働時間が過ぎた場合、各自の仕事が残っていても定時で上がることが多く、残っている仕事はメンバー間で分担して残業が発生しないようにしているのです。
ホワイト企業であればあるほど、月の残業がほぼないという傾向があり、結果、働きやすい企業という可能性が高いのです。
ブラック企業の残業事情
その一方でブラック企業は、過剰な残業を奨励する傾向があります。これはホワイト企業とは逆ですね。
なぜ残業を奨励するかというとブラック企業は、求人を出しても人が来ないので社内のメンバーだけで業務を回していかなければならないのです。
それにそもそもの人数に関しては慢性的に人手不足です。つまり、代わりのメンバーがいないのです。
その結果、所定労働時間内で仕事が終わらず、過剰残業が発生します。しかもブラック企業の中には月の残業時間が100時間以上という過酷な企業も少なくないという事実があります。
しかもたいていのブラック企業は残業代を出さずにサービス残業を強いますので、過剰に酷使されるという現状があるので注意したいですね。
法律を守るかやぶるか
求職者が企業に雇用されると、企業から、雇用契約書と呼ばれるものが配布されます。
この雇用契約書というのは、所定労働日数や労働時間、残業の有無、休日などが書かれている書類です。
さらにその書類の中には残業させる際に残業代をいくら払うのか、休日出勤の手当はどうなっているのか、といった諸ルールについても法律に基づいた内容で記載されるのが通例です。
人に優しい会社は法律を守る
ホワイト企業はこういった労働条件周りに関しては国が定めた労働法をきちんと守り、法律の順守をします。
どうしてホワイト企業は法律を守るのかというと、一度法律を破り、労働局などの目に入ってしまうと、マスコミやテレビなどの取材の影響で、悪い評判が立ってしまい、企業全体の売り上げが落ち込んでしまうのを避けるためです。
その一方でブラック企業の法律関係についてはどうでしょうか?
ダメな会社は法律を破る
基本的にブラック企業で働いてしまうと、法律そのものが機能していないため、ブラック企業は法律を平気で破ることが多いです。
特に悪質なブラック企業の場合、法律に違反しているにも関わらず、法律に違反している内容そのものを隠そうとします。よくあるのがタイムカードの改ざんです。
本来であれば、8時30分から出社する人に対して、8時に来るように伝え、タイムカードはわざと押さないように指示。
そして、その押さない時間の欄に、手書きで本当は8時出社なのに、8時30分と書くというもの。
加えて残業時間については申告を許さず、定時でタイムカードを切らせて、それから自主的なサービス残業をやるように指示します。
上記のようなやり方だと仮に監査が入ったとしてもブラック企業は法律違反を隠せてしまうのです。悪質ですよね。
このようにホワイト企業は法律はしっかり守りますが、ブラック企業は法律をうまくごまかしながら違反しているケースが多のです。
人を酷使するブラック企業
ホワイト企業、ブラック企業双方とも、人、物、金、土地といったものが企業が成り立つ要素であることは間違いありません。
中でも人材というものは、企業にとっては財産の一つであり、人材なくしてはホワイト企業、ブラック企業双方は成り立っていかないのです。
良い会社は人材を宝と考える
その人材について、ホワイト企業は人を大事に思っていることが非常に多いです。
労働者の事をきちんと考え、労働者が仕事で行き詰ったり、悩んでいる際には相談に乗ってあげたりします。
それに真面目に働いて結果を出している労働者に対しては賃金アップや、昇進といった待遇面の改善に取り組んでくれます。
それにホワイト企業では利益が出た場合には、儲けの一部をしっかりと労働者に還元することで、労働者にやる気を出させ的な働くモチベーションを高めます。
ちなみにブラック企業はというと、労働者を全く大事にしません。会社に利益が出ても基本的に昇給なんてことは起こりえないのです。
ダメな会社は人材を使い捨てる
「人が辞めたらまた募集すればいい。」とか、「この人は気にいらないから、どこかの部署へ飛ばそう。」などと、平気で考えている会社のお偉いさんがブラック企業では非常に多いです。
こういったブラック企業は、周囲の評判が悪く、会社全体の雰囲気も悪いです。
当然、そのようなブラック企業で働いている社員の多くは覇気が無く、仕方なく仕事をしているのでパフォーマンスも低いです。
しかもブラック企業は人を大事にしないばかりか、人を育てようとする気持ちがないので平気で人を解雇したり、周囲の空気を読まずに部下を皆の前で叱りつけることもよくあります。
ワークライフバランスの有無
昔の日本は、朝から夜遅くまで働くという考え方が主で、仕事があるだけまだいいという意見が多かったです。
しかし、現在は人手不足なので仕事はいくらでもあるのでホワイト企業のように仕事とプライベートのバランスがしっかりとれているような待遇にしないと人材が確保できない時代になってきています。
良い会社は働きやすい
ホワイト企業では残業時間がほぼないことに加えて育児休暇を積極的に推奨したりしています。
それにホワイト企業の中には会社内に寝る部屋を用意し、仕事に対する集中力をアップさせるといった工夫をしている企業もあります。
このようにホワイト企業では仕事とプライベートのバランスがとれているので、労働者は非常に働きやすいのです。
その一方でブラック企業で働いた場合の仕事とプライベートのバランスはどうなのでしょうか?
ダメな会社はノープライベート
ブラック企業は、残業が多いので、自分のプライベートの時間がかなり削られます。
その結果としてブラック企業で仕事をしていると、自分の時間がないのでストレスが溜まることが多いです。
その一方でブラック企業の場合、長く勤務すればするほど労働意欲が落ちるのです。相当な働き好きの人以外にとっては苦痛な職場のはず。
ブラック企業の経営者はワンマン
ホワイト企業であろうとブラック企業であろうと経営者は会社のボスです。
彼らは利益を出すことを目指して経営をしますが、ブラック企業の経営者は、ワンマン経営を社員に強いて社員を酷使することで利益を最大化させえます。
まさに悪魔のような存在です。彼らは儲けたお金は労働者に還元することをせず、設備投資などに回します。
このことが何を意味するかというと、ブラック企業の場合は労働者の側はどんなに頑張っても特に報われないのです。その結果、腐って退職する人が続出するので平均勤続年数も短いのです。
なお、ブラック企業の経営者の実態や彼らの本音についてはこちらのページでまとめているので、もしよろしければ目を通してみてくださいね。
ホワイト企業の見つけ方
ここまでの内容に目を通すとブラック企業よりもホワイト企業に入社したように思えるはずです。
そこでここではホワイト企業であるかどうかを見極める際にチェックしておきたい5項目を一覧にしてみました。
- 現場の社員が優秀か
- ネットでの評価
- 有給の取得率
- 平均給与額
- 平均勤続年数
この5つの中身については上からご紹介します。
現場の社員が優秀か
ホワイト企業は人を大事に育てるため、社員が優秀であり、教え方がうまいです。
その一方でブラック企業は人の気持ちになって考える社員が少ないため、教え方が下手です。つまり現場のメンバーの質はブラック企業とホワイト企業では段違いなのです。
ネットでの評価
企業の善し悪しを判断する際にはインターネット上の評価も大切です。そして大抵のホワイト企業はネットの評価が高く評価されております。
その一方でブラック企業はネットでの評価が低いばかりか、評価そのものが記載されていないことが多いです。
この点を考えると、ネット上の評価が低い、または評価がない会社はブラック企業であることを疑うのが無難。
有給の取得率
ホワイト企業は、有給休暇の取得率が5割を超えていますが、ブラック企業は、有給休暇はあっても、見かけだけで実際は取得率が大幅に低いです。
この点を考えると有給の取得率等について確認をすることをおすすめします。この確認を行い、有給が取れない、または取得率が低い会社はブラック企業だと分かります。
平均給与額
労働者は給与をもらうために働きます。ホワイト企業は人のことを考えるので、最初から平均給与額が高いです。
その一方でブラック企業は給与が低いことが多く、昇給も少ない為、ブラック企業の中には時給制のアルバイトをした方が給与が高いケースもあります。
平均勤続年数
ホワイト企業は、離職率が低いです。よって、同業である他社と比較しても、平均勤続年数が倍以上になっていることが多いです。
これは考えてみれば当たり前です。だってホワイト企業はそれだけ労働者への待遇が良いのですからね。
これとは逆にブラック企業は離職率が高いため、平均勤続年数が1年にも満たない会社が多いです。
この実情を考えると社員の平均勤続年数はホワイト企業かブラック企業かを識別する際の基準指標に出来ますので必ず目を通しておくことをおすすめします。
転職先はホワイト企業が一番
ホワイト企業は賃金面、プライベート面、福利厚生面といった様々な面で待遇が整えられており、働きやすい環境が用意されております。当然、ブラック企業はその逆です。
この点を考えると就職先はブラック企業ではなく、ホワイト企業を選ぶのが無難です。
ちなみに誤ってブラック企業に入社してしまうと、どんな未来が待っているのかについてはブラック企業で働かれた人たちの体験談をまとめているこちらのページを読めばよくわかるので、ご興味があればどうぞ。

現在31歳の現役のサラリーマン
一流と言われる私立大学を卒業しながらも新卒の就職活動に失敗してブラック企業に入社。
入社後には尋常ではない陰湿なパワハラの被害に遭い、嫌気がさして1年弱で退社して無職に。職歴のブランクあり、スキル無し、コネなしという状況で就職先が見つからず、スキルを身に付けるべくベンチャー企業(実態はスーパーブラック企業)にアルバイトとして入社。
2社目のベンチャー企業という異名を持つブラック企業はパワハラはないものの、激務・薄給(時給換算で500円以下)と典型的なブラック企業でしたが、その会社でWEB制作の技術を学び、その経験から現在の会社(非ブラックな中小企業)に引き抜かれました。
これまでの経験からブラック企業の実態、転職活動のコツ、無職並びにフリーターの就職活動周りに非常に精通しているので、こういった内容のコンテンツを随時配信していきます。なお、自身の過去の経験から労務問題には興味を持ち、隙間時間で社労士の資格勉強にも着手中。
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