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金なし、コネなし、スキル無し、そんな人が独立をしようと思ったら必ず選択肢の1つになるのが、フランチャイズオーナーになっての独立。

「スキルやコネがなくても独立できる」というきれいな面だけを見るとフランチャイズオーナーになるという選択は悪くはありませんが、安易にフランチャイズオーナーになると地獄を見ます。

なぜなら、フランチャイズオーナーになるにはそれ相応の初期資金がかかる上に、毎月フランチャイズ契約を締結してくれた胴元に一定金額を払わなくてはいけないからです。

それに会社員と違い、毎月固定給が振り込まれるわけではないので、最低限の商売の才覚がないと死に直結します。

「独立」というきらびやかな理想とはかけ離れた実態を持つフランチャイズオーナーの世界の現実について知って頂くために今回は何も知らずに興味本位でコンビニのオーナーになって自己破産寸前に追い込まれた老夫婦のエピソードをご紹介しようと思います。

私達がフランチャイズオーナーを始めた理由

定年過ぎても働いていたい、と、思うサラリーマンは沢山いると思います。

私たちもそういう思いでずっといました。起業するといっても、何の考えも思いつかなく、ネットで検索し、気軽に始められそうだったのがコンビニのフランチャイズだったので、何も考えずにコンビニオーナーになることを決めました。

コンビニオーナー募集のページはいくらでもあります。それに少ない資本金、年収2000万、等々魅力的に書かれていますので、商売のことなど何も知らない私たちは飛びついてしまいました。

家族や友達、実際に経営している人の話を聞いたりすればよかったのですが、詳細を全く知らないまま、勢いで申し込みしてしまいました。これが地獄の始まりでした。

研修という名の強制的なタダ働き

実は自分のフランチャイズ店舗を持つ前からブラックな環境でした。なぜなら店舗を持つ前には店舗運営の一連の流れが必要ということもあり、研修という題目で直営店でただ働きを3か月もさせられました。

しかもこの研修は8時から17時までほとんど休みがない上に研修と言う名目なので給与どころか、交通費も出ません。3ヶ月の地獄の研修が終わった日には、「あなたのおかげで人件費が節約できました。」と言われたのです。

これは今考えるとありえない話でしたが、当時は自分たちの店が出来るワクワク感で気にならなかったのです。

周囲には同列店が増える

店を始めて楽しかったです。最初は黒字で順調だと思っていました。ですが、それは私たちの才覚があったからではなく、単純に立地が良かったからです。

私たちのフランチャイズ店舗は地方都市の住宅もまばらな地域の郊外に位置しておりました。当然、客層はストリートになります。

東に2km位の所にファミマがありましたが他のコンビニは一切ありませんでした。そのおかげでお客さんは自然と私たちのフランチャイズ店舗に足を運んでくれたので、忙しいながらも売り上げに困ることはありませんでした。

しかし、こんな状況は長くは続かず、店舗を経営して3か月位たった時には私たちの店舗の北3kmの地域に同列店が経ちました。それに半年たった頃、西3kmの地点にまたまた同列店が出来ました。

このおかげで売り上げがガクッと下がってしまい困っていたのですが、店舗設立から2年後の時点には南3kmの地点に同列店が出来ました。その結果として東西南北、同列店に囲まれてしまったのです。

ロードサイドでフランチャイズ店舗を経営している私たちの店にはたまったものではありません。

このことは私たちが店を始める時に本部はもうこの計画を承知していたはずです。しかし、私たちに知らされることはありませんでした。

違うコンビニならあきらめようもありますが、同列店でこんな事をするとは常識では考えられません。そこで一つ本部への不信感が生まれました。

SV(スーパーアドバイザー)という本社の担当者は「努力をすれば負けることはありませんよ」的な事しか言いません。

そのSVは新店も担当しているので、私たちに親身になってくれているとは思えませんでした。彼の度重なる対応によって私たち夫婦は本社への不信感がどんどん強まりました。

肝心の売り上げに関しては日に日に目減りし、フランチャイズ店舗開店時の売上から2割くらい落ちました。売上は落ちますが、費用は基本的に落ちないので、結果として私たちの店舗は赤字に転落していきました。

信頼できないSV(スーパーバイザー)

先ほど紹介したSV(スーパーバイザー)というのは、加盟店募集のサイトで『加盟店にとって頼れる相談役です。

定期的にフランチャイズ店舗を訪問し、市場調査から経営プランの検討、商品導入の提案、カウンセリングまで担当するのが本来の役割です。それにフランチャイズ加入時の資料には、「SVは加盟店の意見を本部へ届け、それを活かした本部の戦略などをお伝えする役目を果たしています。』と書かれています。

文面だけを見るとSVはフランチャイズオーナーに協力的に思えますが、実態としてはオーナーがいない時間を見計らって来ておりました。要は面倒な対応をできるだけ減らそうとしていたのです。

その結果として私たち老夫婦はSVに聞きたいことや抗議したいことを直接伝える機会になかなか巡り合えませんでした。

しかもSVが店舗に来るときには新作商品の導入の提案と称して月1回位ある季節商品のノルマを課せられます。彼等の立場としてはあくまでも提案であってノルマではないと言い張りますが。市場調査から経営プランの検討などしてもらった事はありません。

それに何を質問しても「次までに調べておきます。」というだけで答えが返ってきたことはなかったです。

私たちの店舗で赤字が発生すると、バカの一つ覚えみたいに「人件費を削れ」という事しか言いません。売り上げが上がるような改善策などはしてくれませんでした。全く必要のない人です。

時々、この人も本部と加盟店の間に挟まって気の毒な人だと思うことがありました。

フランチャイズオーナーの現実

売り上げが下がり、人件費を減らすためにもフランチャイズオーナーが夜勤を担当せざるを得なくなりました。どうしても深夜の時間帯はアルバイトの時給が高くなるので、それを支払っている余裕がなくなったのです。

その時期に私たちがどんな生活をしていたかをお話しします。

主人は22時から夜勤をして朝8時までレジ接客をします。8時にパートさんと交代してから発注をします。それからバックヤードで少しだけ寝ます。

やっと一息ついたと思っても13時にパートさんが帰るので、彼女が帰った後は18時までレジ接客をします。そして18時にバイトと交代してまた少しだけ休みます。

時々、バイトがドタキャンするとずっと店に出たままです。バックヤードで発注や雑用などをして20時位に家に帰り、お風呂に入り22時までに店に戻ってまた夜勤をします。

私は24時~25時位からバックヤードで段ボールの上で寝ます。5時半には起きて朝の準備をしたりしてパートさんが来るまで店に出ています。

8時にパートさんが来てから、13時まで発注や雑用などを、13時にパートさんが帰ってからは主人と一緒に店に立ちます。バイトが18時に来て交代し、主人と一緒に家に帰り、また一緒に店に戻ってと、こんな繰り返しで365日が過ぎていきます。

もちろん、紅白歌合戦も、お雑煮も関係のない生活です。

それでいて店はおせち、クリスマス、恵方巻、お中元・お歳暮といった季節商品を次から次へと扱って、春夏秋冬は過ぎていくのは感じました。何か夢の世界にいるような、別の世界に迷い込んでいるようなふわふわした気持ちになっていました。

今振り返ると当時の私たちは普通の精神状態ではなかったように思います。

親族の葬式に参加もできない

そういえば、主人の父親のお葬式があったのですが、その時はバイトのシフトに空きがなかったので、火葬場にもついてはいけませんでした。

当然孫のお祝い事にも出られません。要するに文化的な日本人らしい生活は全く営めないのです。毎日毎日、こんなことならフランチャイズオーナーになんかならずにイチアルバイトとしてコンビニで働けばよかった・・・・と夫婦で愚痴をこぼし合っていました。

どんなに切り詰めても赤字

経費に関しても可能な限り切り詰めてやっているのに、赤字はだんだん大きくなりどうしていいか分かりませんでした。

SVは人件費が多すぎるというのです。どこを減らせばいいのでしょうか。もう、人件費を減らす余裕はありません。

売り上げが減っていくので、24時間2人でやっても赤字になるのだと思うようになりました。毎日800人以上のお客様が来ても赤字になるのだと思うようになりました。また一つ不信感が湧いてきました。

SVには何の考えもなく、マニュアル通りに人件費を減らせとしか言えないのです。そんな、バカの軍団だという事は分かっているのですが、こんな生活を何年も続けていると、身体的にも精神的にもおかしくなってきます。

ついに限界がきて辞めることを決意

そんな時、私が転んで骨折してしまいました。左手首と左大腿骨、両方とも手術が必要で入院しなくてはなりませんでした。

私が居なくなった穴埋めをしてくれる人はいませんでした。ただ、朝のパートさんは8時からを7時に来てくれたそうですが、他の穴埋めは主人が一人でやっていたそうです。

寝る間はほとんど無かったと思います。

チョットだけ病院に顔を出してくれるのですが、朦朧としていてホントに大丈夫? と言う感じで心配でした。このままだと死んじゃうかも知れないと思いました。

そこで私が勇気を出して、「もう、辞めましょう。」といったところ、夫は瞬時に「うん、辞めよう。」と即答しました。

こんな簡単な会話で辞めることを決意するくらい、私たちは追い込まれていたのです。ちなみに本部は辞めることを待っていたようにすぐに辞めることが出来たようです。

罠にかかってしまった

売り上げは月1200万~1300万位で、年間の売上に換算すると億は優に超えています。これだけを見れば、凄く儲かってそうに感じるかもしれませんが、会計計算は本部でするので細かいことは全く分かりません。

店の財務状況は本社しか知らない

今の店の財務状況に関しては毎月届く調書を細かく調べればいいのかもしれませんが、そんな暇はフランチャイズオーナーにはありません。なんていったって、毎日毎日店に立っていないといけないのですから・・・・

それに本社から届く調書は長仕入れの締め日、廃棄ロスの締め日、人件費の締め日、それぞれみんな違った締め日にしていて分かりにくかったです。しかも仕入れ表、廃棄表が提出されるのは2、3か月後ですのでその頃にはその当時の記憶はほとんどありません。

その結果として売り上げがだいぶ良かった、と言う月でも1万でも2万でも赤字になってしまうのです。ちなみに私たちの取り分というのは夫婦2人で毎日働いているにも関わらず月額の手取りは二人で約20万。

しかもその中から店に通うガソリン代を出します。家の維持費などを差し引くと食費、衣料費などは出ません。着の身着のままです。食費にお金をかけることもできませんので、廃棄を食べるしかありません。

オーナーという名の奴隷

フランチャイズオーナーは個人企業主で本部に雇われているわけではありません。それにも関わらず、実態は本部の奴隷です。

自営業だから労働基準法は当てはまらなく、何時間働いても規制はありません。家族も同様です。家族の分の人件費は取れません。それにSVはフランチャイズオーナーは1日20時間近く働くのは当たり前と平気で言います。

その一方で本部の人は、週休2日、夏季休暇・冬期休暇平気で取っています。当たり前のことですが、そういうことまで腹立ってきました。電話しても休暇中と言う言葉が腹立ちました。

もう、私たちを人間だと思っていない感じです。そう洗脳されているのに違いありません。でなければ次から次へと変わるSVすべてが同じ考えとは思えないからです。
またまた、不信感が湧いてきます。

資産をはたいてしまいました。もう、手元にはお金がありません。

開業資金を出したのに、それも回収出来ません。賠償金を請求されるので途中解約できず我慢して働くしかなかったのです。希望をもってフランチャイズオーナーになったのに、全てを奪われてフランチャイズオーナーを続けるしかない・・・

本当にみじめでした。

不思議なコンビニ会計に苦しめられる

自分の店なのに経理は本部がする。と言うのがおかしいと思います。特にどうしても納得がいかないのが、何年か前に話題になった廃棄ロスと言う言葉です。

諸悪の根源の廃棄ロスとは?

そもそもこの廃棄ロスというのは、店が仕入れた物が売れ残ったらその分の仕入れ値をロス登録して本部に支払うことを指します。一度仕入れた自分の物を捨てる時に本部にお金を払うのか不思議でなりません。お弁当やおでん等の廃棄は月に40万円を超えます。

どこのコンビニでも問題になっているのでやはり無いほうがいいものだと思います。

本部は常に充実した品揃えをと言ってきます。当たり前のことだと思います。でもそれは、廃棄をすればするほど、本部は儲かるからです。

その一方で店舗側としては廃棄をすればするだけどんどん損失が増えるのです。この会計方法はセブンイレブンが考え出したもののようですが、それを他のコンビニは皆まねしています。

廃棄時間前に値下げするのも禁じられているので売る切ることは出来ません。その結果として廃棄が増えていきますし、そもそもの話、仕入れ値も正しいかどうか極めて曖昧です。

この点に関しては東日本代震災の時、確信しました。

商品が来ないのに仕入れ値が変わらない

実はその当時には商品を発注しても殆どの品物は入ってきませんでした。当然品物が入ってないのだから売り上げはどんと減りました。

それでは仕入れのために支払う仕入れ値だけは減らなかったのです。どういうことかというと、品物が入って来なくても発注した分は全部仕入れ値として引かれていたのです。

SVに問いただしましたが次の日担当が変わりました。交代のSVは酷い人で前の事は私には関係ないので知らないの一点張りで白を切られていつのまにか終わってしまいました。

こんなことが起こると当然、SVへの不信感が生まれます。正直な話、辞める直前には本部の言うこともSVの言うことも何一つ信用できなくなりました。

最悪のフライドチキン事件

特に最悪だったのが、ある年のクリスマス直前のフライドチキン事件です。こちらは全く発注していないのに、突然担当のSVから「フライドチキンを40箱用意しましたから」と真顔で言われました。

1箱30個、40箱で1200個。普段ですと最高に売れでも1日で10本だというのに、クリスマスだからと言ってどれだけ売れるというのでしょう。20倍売れたとしても200本も売れません。第一にそんなに入る冷蔵庫はありません。

SVはすっかり押し売りになっていました。正直、こんなことが続くとSVは私たち夫婦の敵にしか思えなくなりました。

フランチャイズオーナーを辞めた今では違約金を払っていますが、フライドチキン事件をはじめとした当時の最悪の出来事を考えると今は辞めて本当に良かったと思っています。

店を辞めたばかりの頃は訴えてやる、とかネットで暴露するとか考えていましたが、今訴える人も増えて、世の中も変わってだんだん働く人のためになって行く傾向にあるので良かったと思っています。

当然悔しさは今でも忘れてません。私の経験がフランチャイズオーナーの罠に引っかかる人を助けることに繋がればうれしい限りです。

現在31歳の現役のサラリーマン

一流と言われる私立大学を卒業しながらも新卒の就職活動に失敗してブラック企業に入社。

入社後には尋常ではない陰湿なパワハラの被害に遭い、嫌気がさして1年弱で退社して無職に。職歴のブランクあり、スキル無し、コネなしという状況で就職先が見つからず、スキルを身に付けるべくベンチャー企業(実態はスーパーブラック企業)にアルバイトとして入社。

2社目のベンチャー企業という異名を持つブラック企業はパワハラはないものの、激務・薄給(時給換算で500円以下)と典型的なブラック企業でしたが、その会社でWEB制作の技術を学び、その経験から現在の会社(非ブラックな中小企業)に引き抜かれました。

これまでの経験からブラック企業の実態、転職活動のコツ、無職並びにフリーターの就職活動周りに非常に精通しているので、こういった内容のコンテンツを随時配信していきます。なお、自身の過去の経験から労務問題には興味を持ち、隙間時間で社労士の資格勉強にも着手中。

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