

「ブラック企業はうつ病量産所」
「うつ病」という病気はブラック企業で働いている従業員なら誰でもかかる可能性があります。
現に筆者自身、新卒で入社したブラック企業で糞な上司からのパワハラに合い、うつ病になりかけた経験があります。
一応医師からは、「うつ病の診断結果」はもらいませんでしたが、おそらく心が壊れかけていました。
現にブラック企業でパワハラを受けていた当時の友人からは「顔が死んでいた」、「お前、最近飯食っている?」と毎日心配されておりました。
実はこの体験は完全に筆者の黒歴史なのですが、ブラック企業で働いてうつ病になりかけているor既になっている人は日本全国に数多くいるはずなので、その方々のお役に立てればと思い、私の体験をまとめてみました。
目次
ブラック企業の上司からのパワハラ
私が大学卒業後に入社をしたのは都内のIT企業でした。そのIT企業は自社でシステムを開発し、国内の数多くの企業に納品している基幹システムの開発会社でした。
自社とお客様の板挟み
当時の私が担当したのは人事系の基幹システムをお客様の仕様に合わせてカスタマイズする仕事でした。この仕事を端的に言えば、商品を開発する部署とお客様との間の板挟みになる伝書鳩のようなもの。
毎日、お客さんの要望を開発の部署に伝え、開発側からは「それは無理だ」と怒鳴られ、それをお客様に伝える。そうすると、お客様からは怒鳴られる・・・・というエンドループ。
新人で何もできないとはいえ、怒鳴られることが仕事になっていました。この時は新人だったので「社会人の世界はこれくら厳しいよね・・・」と思っていました。
しかし、体は正直で朝起きると腹痛がする、頭痛がするという状況が発生し、徐々に体に黄信号が流れてきました。この時はツルハドラックの市販の胃薬でなんとか体をごまかすことで耐えていました。
低学歴な上司からの嫉妬
もしかしたらあなたは「男の嫉妬は恐ろしい」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
実はこの言葉の本当の意味は大抵の人は感じることはありませんが、管理人自身は当時のブラック企業の上司から体感しました。
そしてその上司というのは、中卒で身長が150センチのプロジェクトマネージャー。
彼は学歴と身長がないことを常々コンプレックスに思っており、自分よりも身長が高い大卒の新人のことをこれまで何人も会社から追い出してきたことで有名な札付きのワルです。
筆者自身、大学は上智卒であり、身長は175センチだったので、まさに彼のターゲットだったのです。
その結果、毎日「上智なのにこんなことできないの?」、「英語得意なら、うちを辞めて海外行けよ」と毎日、ねちねちとモラハラを受けることに。
このモラハラ自体はうつ病になるほどつらくはなかったのですが、彼のパワハラは本当に最悪でした。
情報を隠す・妨害をする
実はそのモラハラ上司は私が担当していた顧客のプロジェクトを管理しているリーダーだったので、プロジェクト全貌を把握しているのは私ではなく、彼。
そのため、顧客との窓口を担当している私が円滑に業務を行うには彼との情報共有が必要でした。しかし、彼は私に情報を提供しないばかりか、「それくらい上智に受かる君なら考えればわかるよね?」と嫌味を言う次第。
その結果、情報がないなかで手さぐりに仕事せざるを得なく、仕事が進まず、深夜残業がデフォルトに。しかもそれだけ働いても結果が出なくて、社内では「頑張ってもできない人」として笑われる始末。
本当に悔しくて、悔しくて、さらに頑張るが、結果が出ない・・・・・。この無限ループに陥り、徐々に私の体はうつ病の初期症状に近づいて来ました。
我慢の限界とうつ病手前に
最初はできない自分が悪い、自分がもっと頑張ればこの状況を乗り越えられる。それにこの試練を乗り越えれば成長が出来る、と奮い立たせていましたが、顔色はどんどん悪くなってきました。
週に1日の休日に学生時代の友人に会うと、「お前うつ病になっているんじゃないの?」と本気で心配されていました。
その時も「俺がうつ病になるわけないだろ?」なんて無理に強がって笑っていましたが・・・・。おそらく体も心も黄信号だったはずです。
顧客と開発部署から怒鳴られる
そんな中、ブラック企業の上司からのパワハラでうつ病の症状が本格化する決定的な瞬間が来ました。その瞬間というのは、上司の意図的な連絡ミスにより、顧客に怒鳴られたことです。
それは何かというと、いつもでしたら顧客と直接やり取りをしていたいのは私だったのですが、上司がプロジェクトマネージャーという立場を利用して私の知らぬ間に顧客先に足を運び、勝手に顧客との約束を交わしてしまったのです。
しかも、その内容は事後にも私に知らせませんでした。そのため、私の知るよしのない状況だったので、開発には伝えることが出来ませんでした。
これは私の過失はないはずだったのですが、お客様からの「あの件の進捗どうなっていますか?」と電話が入り、「何ですか、それ?」と確認をしたところ、電話で説明をされました。
慌てて、電話で言われた内容を自社の開発部門に依頼をすると、開発側は「そんなのできるわけない」と怒鳴られました。
その時は「俺に怒鳴るのではなく、上司に怒鳴れよ!」と心底思いました。
しかし責任の所在を押し付けても仕方がないので、私は「上司が約束した内容はできないという旨」を伝えるためにお客様のオフィスに茶菓子をもって報告に。
すると、お客さんは大目玉。契約解除の意向まで示されて、役員が対応するまでの大事になりました。しかも責任の所在は私に。ここで心の糸がプチと切れました。
人事面談で泣きつく
新入社員に責任の所在を追いやるのは本当に理不尽でしたが、ブラック企業と分かって入ったのでこれはまだ許せます。
しかし、ブラック企業の上司の理不尽さには腹が立ちました。パワハラ・モラハラをする、人の仕事の妨害をし、部下に責任を擦り付け、部下がうつ病になりかける姿を見て喜びだす・・・・
本当に悪魔だと思いました。こんな悪魔みたいなブラック企業の上司の下で働いているとうつ病になると思い、人事に面談を依頼し、部署移動を依頼しました。
しかし、「新人で任せられる仕事はない以上、移動の希望は答えられない」と言われ、移動の希望が無くなりました。
これではまずいと思い、上司の悪行を報告して、「このままではうつ病になるから助けてくれ」と懇願しました。
この懇願に対してブラック企業の人事部の課長がいった言葉は、「それは君の勘違いでは?」でした。
しかも「うつ病になりそう」という私の言葉を聞き、無理やり産業医との面談の機会までセットされました。
ま~あ言ってしまえば最近はやりの産業医を絡めての強制退職プログラムです。
人事からの命令である以上、私は社内のストレスの蓄積テストと産業医による面談プログラムを受けざるを得ないことになりました。
うつ病の症状で強制休職
産業医との面談の中で焦点に上がったのは、「うつ病になりそう」という言葉と直近のパフォーマンスの低下でした。これらについて面談の中で根ほり、葉ほり聞かれました。
特に先述した顧客からの叱責の後、目に見えて私の業務への意欲が落ちていることを問題視され、「うつ病の疑いがあり」と、人事に報告されました。
その結果、人事から再度の人事面談を受け、「パフォーマンスが上がらないなら休職するしかない」と宣告を受けました。
この宣告に対して無性に腹が立ち、「上司のパワハラ・モラハラ」を告発したところ、「調査しておくよ・・・」と言われるだけ。
このパワハラの告発後はブラック企業の上司からの陰湿な嫌がらせがさらに増え、私のパフォーマンスはさらに落ちることに。
その結果、私に残る選択肢はブラック企業の人事から通達をされた休職プログラムを受け入れるしかありませんでした。
はっきり言ってプログラムを受けなければ確実にうつ病、下手をすると自殺していました。
ブラック企業に入社をしてわずか8ヶ月でうつ病の一歩手前に追い込まれ、休職に。本当にみじめでした。
ブラック企業からの退職勧奨
休職期間中に当時の会社のブラック企業ぶりが良く分かりました。
なぜなら、当時のブラック企業は上場しているにも関わらず、入社3年目までの社員の休職許容期間はなんと1ヶ月。
つまり、1ヶ月の休職期間後に「うつ病の疑い」が完全に白にならなければ、事実上会社を解雇されるのです。本当に最低なブラック企業でした。
職場復帰を断られる
しかも1ヶ月の休職期間後に復帰をするためには、ブラック企業が雇用している産業医との面談を行い、「うつ病の疑いはない、職場復帰させて問題がない」というお墨付きを頂くことが欠かせません。
つまり、一度うつ病の症状を疑われた時点で、私の職場復帰は絶望的になってしまったのです。
そしてこの事実が何を意味するのかというと、1ヶ月の休職期間終了時には無職になるということです。
御多分にもれず、1か月後の産業医面談では「うつ病の疑いは消えない」というお達しを頂き、職場復帰は絶望的に。要するに事実上近い将来の失業が決まったのです。
当時の私は上智大学⇒上場企業勤務、というそこそこのきれいなキャリアを失うことが怖くて、本当に絶望的な気分になりました。
退職勧奨と心が折れる
「うつ病の疑いがある」ということで職場復帰が出来ない私に対して、ブラック企業の人事部がとった行為はなんと、退職勧奨の提示でした。
この退職勧奨の内容をまとめると、「休職期間の終了の30日後の時点で解雇をすることを考えているから、自分から辞めた方が良い」とのことでした。
当時の筆者はこの「解雇」という言葉が怖く、一度「解雇」をくらうと「永久に他の会社で働けないのでは?」と取り乱していました。
その結果、解雇されるくらいなら「こんなブラック企業自分から辞めてやる!」という勢いで退職勧奨と共に添えられた「退職同意書」にサインをしてしまいました。
今思うと完全にブラック企業の人事部の思うつぼだったはずです。
その結果として、ブラック企業のパワハラ上司からモラハラ・パワハラを受けた被害者であるにもかかわらず、筆者は会社を追い出されることに。
これには本当に腹が立ち、ブラック企業の上司、そしてブラック企業に復讐をしてやろうと本気で決意しました。
パワハラの慰謝料の請求ができない
自分をうつ病寸前にまで追い込んだブラック企業への復讐方法としては色々と考えました。
そんな復讐に燃えていた当時の私が考えた主な復讐方法はこちらの通りです。
- ネットにブラック企業の悪評を書く
- 上司の車をボロボロにする
- 上司を闇討ちする
- 会社を労基署に訴える事
- 弁護士を通して訴訟を起こす
特に私をうつ病寸前にまで追い込んだパワハラ上司への復讐に関しては是非ともやりたかったですが、確実に私が疑われると思ったのでそこはギリギリ我慢しました。
その結果として、うつ病寸前にまで追い込まれた私がとることを決めた選択肢は「会社を労基署に訴える事」と「弁護士を通しての訴訟」でした。
ま~あブラック企業に対する復讐としては妥当な行為ですよね。しかし、この2種類のブラック企業への復讐には決定的な課題がありました。
なお、パワハラ上司に仕返しをする方法が気になりましたらこちらをどうぞ。
在職時に動かないと厳しい
実はブラック企業の上司からパワハラを受けたことを外部機関に告発するのなら会社在職時に動く必要があります。
なぜならパワハラを受けた場合、パワハラの証拠やうつ病まがいの症状の発作とブラック企業の職場関係の因果関係の証明となる証明書の準備をする必要がありますが、それらを証明する証拠はブラック企業を退社した後では用意しにくいからです。
仮に証拠が不十分の場合は、悔しいかもしれませんがパワハラの証拠がないのでパワハラの立証は厳しいです。
こうなると裁判をしても勝率はがかなり下がります。それに裁判を起こすにしても「残業代の未払い」といったポイントで勝負するしかありません。
裁判はハードルが高い
それにそもそもの話になりますが、裁判を起こすのはかなりエネルギーが必要になります。現に裁判で「うつ病の初期症状の発作の補償」を求める場合、こういった準備が求められます。
- うつ病の症状の診断書
- ブラック企業側の失点の証拠
- 着手に必要な弁護士費用
- 継続的に支払う弁護士の雇用料
- 裁判の結果が出るまでの時間
- 逆告訴されないための準備
要するにかなりエネルギーが必要になるのです。特に裁判を起こす場合、裁判を起こすための初期費用は数万円、場合によっては数十万円かかりますし、負けたらそれらは全て泡になります。
しかも、裁判を起こすとなると、ブラック企業の悪行を公開の場で公表することになる以上、明確な証拠がなければ「名誉棄損」という形で逆告訴されるリスクもあります。
要するに明らかなブラック企業側の失点を攻められるような状況がない限りは、裁判は割に合わないのです。
絶対にブラック企業と関わるな
色々と話しましたが、社員をうつ病に追い込むようなブラック企業とは関わらないのがベストです。
なぜなら、ブラック企業の経営陣は一人の従業員が健康を害しても特に気にしないからです。現に私が休職していた時には私の代わりとなる別のメンバーを雇用し、彼に私の仕事を振っていました。
つまり、ブラック企業では社員を大切にするという文化は全くないのです。
ちなみに後日談ですが、私の代わりにジョインしたメンバーは入社から半年の時点でうつ病になりかけて辞めたようです。
こういった点を考えると働いていてうつ病になりかけるようなブラック企業とは関わらないのがベスト。
それに万が一関わってしまって何らかの異変が心身に少しでも出てきた場合はすぐに逃げるか休職を選ぶようにしましょう。
「逃げる」という言葉を聞くと「負けた感」があるかもしれませんが、ブラック企業はあなたがうつ病になって倒れても何も手助けしてくれません。
そのため、ブラック企業で理不尽な目に遭った場合は我慢をするという選択肢は取らず、すぐに逃げたほうが良いのです。
ちなみに今すぐにでも逃げた方が良いブラック企業の特徴やブラック企業から上手に逃げる方法についてはこちらのページでまとめておりますので、よろしければ目を通してみてくださいね。
現在31歳の現役のサラリーマン
一流と言われる私立大学を卒業しながらも新卒の就職活動に失敗してブラック企業に入社。
入社後には尋常ではない陰湿なパワハラの被害に遭い、嫌気がさして1年弱で退社して無職に。職歴のブランクあり、スキル無し、コネなしという状況で就職先が見つからず、スキルを身に付けるべくベンチャー企業(実態はスーパーブラック企業)にアルバイトとして入社。
2社目のベンチャー企業という異名を持つブラック企業はパワハラはないものの、激務・薄給(時給換算で500円以下)と典型的なブラック企業でしたが、その会社でWEB制作の技術を学び、その経験から現在の会社(非ブラックな中小企業)に引き抜かれました。
これまでの経験からブラック企業の実態、転職活動のコツ、無職並びにフリーターの就職活動周りに非常に精通しているので、こういった内容のコンテンツを随時配信していきます。なお、自身の過去の経験から労務問題には興味を持ち、隙間時間で社労士の資格勉強にも着手中。
コメントを残す